診療情報管理士って?

電子カルテ

カルテを管理する大切な仕事

医療に携わる仕事の1つであるものの、患者本人からすると直接の関わりあいがないために、どのような仕事であるのか分かりにくい仕事というのも多く存在しています。
そんな仕事の1つとして挙げられるのが「診療情報管理士」です。
診療情報というのは、多くの人に分かりやすく言うのであれば「カルテ」のことです。
このカルテを病院で閲覧しやすい形とし、整理することが診療情報管理士の仕事です。

診療情報管理士は国家試験が必要な資格ではなく、社団法人である日本病院会によって行なわれている民間資格となります。
民間資格であるとはいえ、専門的な管理の能力を持っていることを示すことができる資格であることは間違いないため、医療現場に於いて需要が発生することになります。

診療情報管理士の仕事は単純にカルテの情報を整理するだけではありません。
重要なのは「加工」することです。
データの閲覧だけではなく、分析や統計などを取るために利用できるような形でカルテを作り変え(もちろん内容は変えることなく)、様々なことのために利用しやすくすることが大きな目的となります。
こういった医療の情報の集積というのが、将来の医学の進歩に大きく関係しています。

診療情報管理士の魅力として、まずは「就職率」の高さがあります。
就職が厳しいと言われる昨今に於いて、高い専門性を持っているために資格を取得していれば安定した就職を望むことができるというのは大きなポイントの1つです。
まだまだ不足している仕事であることが、需要に拍車を掛けています。

また、この仕事は同時に医療に関する知識を身につける事ができる仕事でもあります。
カルテの整理だけではなく、医療自体に対しても興味があるという人に取っては、一石二鳥の仕事となるでしょう。

専門の養成施設で勉強が必須

それでは、実際に診療情報管理士になりたいと思った場合には、どのようにして資格を取得することができるのでしょうか。
診療情報管理士は試験のみで合格できるというタイプの資格ではなく、「養成施設」で勉強をし、その過程を修了しなければなりません。
より正確には、診療情報管理士資格の受験資格が、養成施設の修了ということになります。
養成施設には通信教育課程もあるため、近くに通うことができる養成施設がないという場合でも受験のための勉強をすすめることは十分可能になります。

ただし、この通信教育の受講をするためにも前提条件があり、病院で勤務したことがある人や、専門の学校にかよっていたことがある人でなければなりません。
試験の受験自体に高めのハードルが存在しているため、取得した時にはかえって武器になりやすいというのが強みです。