言語聴覚士って?

言語聴覚士

言葉や聴覚に障害のある人のリハビリを行う

医療に携わる仕事の一つとして「言語聴覚士」というものがあります。
この仕事は名前からも分かるように「言葉」と「聴覚」に関わる仕事です。
生まれつき発語や聴覚に障害がある人だけではなく、病気や怪我の後遺症によってこれらに障害が発生してしまった人を対象にしたリハビリテーションを行うのが主な仕事となります。
言語聴覚士という名前ではありますが、同症状の場合に問題が発生しやすい「咀嚼」や「嚥下」についてのリハビリテーションについても仕事の範疇に含まれている場合が多いようです。

英語では「スピーチ・ランゲージ・ヒアリング・セラピスト」と呼ばれることから、スピーチとセラピストの頭文字を取ってSTと略して呼ばれることもあります。
リハビリテーションに関わる仕事には言語聴覚士のほかに理学療法士、作業療法士などが挙げられますが、これらの資格をどちらも取得しているような場合も見られます。

言語聴覚士のリハビリテーションにおいて大きな特徴となるのが「独立しているわけではない」ということです。
言語聴覚士のリハビリテーションは、必ず他の分野のリハビリテーションなどと共同して行われることになります。
自分の担当する範囲だけでは患者について分からないようなことも多くあり、他のリハビリテーションや治療の中で分かったことを情報として収集し、言語聴覚士としてのリハビリテーションに活用しなければなりません。
例えば、発語のリハビリテーションを行う場合、発語障害を起こしている病気自体についても知らなければならないため、医師との連携が必須となります。

逆に、言語聴覚士のリハビリテーションの中で得た情報が、他の仕事のサポートとなることもよくあります。
その為、チーム内でリハビリテーションに関わる人同士で情報を共有できるようなシステムを作っておくことが仕事の大きな助けとなります。

忍耐力のある人が向いている仕事

それでは、実際に言語聴覚士になるためには、どのようなことが必要となるでしょうか。
言語聴覚士になるためには「注意力」が重要なポイントとなります。
通常であれば「言葉」で分かるようなことが、伝わらないため、他の部分から読み取らなければならないためです。
例えば目の動きや口の動き、態度などからも、情報を得る事が重要になります。

そして「忍耐力」も重要なポイントです。
患者に対して「何故分からないのか」「何故できないのか」とストレスが溜まってしまうことも少なくありません。

そういった時にも忍耐強く向き合うことができる人でなければ、言語聴覚士の仕事は勤まりません。
また「言語聴覚士国家資格」を取得できるように、勤勉に勉強ができる人であることも、必須の条件の一つとなります。