サイボークの時代

実用化に近付いてきている

映画やアニメなどの世界では、様々なロボットやサイボーグが大活躍していますよね。
ここ最近の科学技術の進化は目を見張るものがあり、ロボットなどもどんどん開発されています。

サイボーグもその一つで、今ではかなり実用化に近づいてきているのです。
注目したいのは「HAL」という世界初のサイボーグ型ロボットです。

HALとは、Hybrid Assistive Limbの略で人間の体の身体機能を補いつつ改善していくことができるサイボーグ型ロボット。
自分の体にHALを装着することによって、体と機械、さらには情報をうまく融合することができます。
これによって、体が不自由な人の力になったり、さらに脳神経系へまでも運動学習を促すというすごいものなんですね。

では、HALがどうやて動くのか見ていきましょう。
まず、歩こうと思う場合には最初に脳で歩きたいと考えますよね。
脳はその信号を神経を通して筋肉に伝えていくのです。

脳から送られた信号は、歩くのに必要なそれぞれの筋肉に伝わり動き出します。
このように脳から神経、そして筋肉へといった人間の行動をアシストしてくれるのがHALなんです。

サイボーグの将来性

HALは、認識した動きに合わせてパワーユニットをコントロールします。
なので、装着者の意思とマッチした動きを助けてくれることが可能になり、通常よりも大きなパワーを出すことも可能なんだそう。

これによって、医療系の分野ではかなり大きな進展が見込めます。
例えば、脚が不自由な人の場合その原因の多くは脳や神経系に原因があることが多いですよね。
脳の信号を、神経がうまく伝達することができずに脚が動かない状態になっているわけです。

HALを使用することで、装着者の生体電位信号を読み取り、脚の動かし方を脳に伝えてくれるのです。
脊髄損傷や外傷性脳腫瘍など、脳や神経に疾患があ流ことが原因で体が動かない患者さんにはまさに救世主となってくれます。
すでにEU全域では医療機器として用いられていることからこれからの発展がさらに望めるはず。

もちろん装着する人に合わせて、しっかりフィットさせることができるのも魅力です。
脚の長さや腰幅、脚のサイズなどその人にあった調整が可能なので装着も違和感なく快適なのも嬉しいですよね。
他にも、介護に従事する人や重いものを運ぶ作業が多い人用に、腰の負担を軽減できてなおかつ大きな力をだせるものもあります。

介護が必要な人を移動させたり、運んだりというのはなかなか大変なものですし、介護者の負担も大きい行為。
HALをうまく利用することで、その負担を最小限に軽減することができますよね。
これからどんどん私たちの生活にサイボーグが浸透してくるのもそう遠くはないでしょう。